筋少みたいなバンドが出たら紅白も見てもいいのにな。
それはさておき、胸郭の位置とその可動性の有無は非常に大きな影響を体に与えることを今日臨床で再発見しました。
胸郭は、胸椎と肋骨と胸骨からなるリング複合体で、心臓や肺を収めています。
運動器として胸郭をみた場合、その位置は体に大きな影響を与えます。
胸郭全体が上に上がってしまうと、鎖骨が上に押され、全身から集まったリンパ液が静脈そそぐ部位である鎖骨の上、にいわゆるデコルテが圧迫され、頚肩こり~頭痛を引き起こします。
また、胸郭を構成する肋骨の可動性は実は非常に心身にとって重要で、その可動性が制限されると、呼吸が浅くなり、そうなると交感神経が優位になり、イライラや逆に抑うつを引き起こします。
肋骨に付着している多くの筋肉も硬くなり、凝り痛みを発生させます。
また、肋骨と接している胸椎の可動性も制限され、胸椎に沿って上から下につながって存在している交感神経も圧迫を受け、その支配領域の内臓の機能低下を引き起こします。
忘れがちな胸骨も、その可動性が制限されると、呼吸は浅くなり、胸苦しいなどの症状を引き起こしてもおかしくないでしょう。
胸骨の真ん中に「だんちゅう」という精神神経系に関わるとされるツボがある意味も、胸骨の可動性が制限されると、精神神経系の不調をきたすということでしょう。
胸郭全体の可動性が制限され硬くなると、その上下の頸椎と腰椎は過剰な負担を強いられ、頚肩こり、腰痛、を引き起こすでしょう。
胸郭全体が下がると、腰痛を引き起こします。
慢性腰痛の方で、時に見かけるのが、胸郭と骨盤の隙間がほとんどない人です。
胸郭全体が下がり、腰椎が圧迫され、身動きが取れない状態になっています。
頚肩こりはあるし腰も痛い、という場合、胸郭全体が可動性が制限され硬くなっているとともに、上にも下にも拡がり、頚椎、腰椎、両方ともに負担をかけている状態である、と考えられます。
今日は、胸郭が上に引っ張られて頚椎周りが圧迫されにっちもさっちもいかなくなっている人の施術で、頚肩にアプローチしても変化に乏しかったのが、胸郭全体を緩め、胸郭を下げるように施術した結果、凄く楽になった、という症例を経験し、改めて普段見過ごされがちな「運動器としての胸郭」をしっかりみて、問題があれば積極的にアプローチすることで、胸郭周りはもちろん、その上下の頚肩、腰、を楽にすることができる、と再認識した私(院長)なのです。