元々はオステオパシー領域の治療体系である「筋膜リリース」。
近年、一般にもその名が知られるくらい有名になってきました(竹井仁のおかげやね)。
「骨格」と「筋肉」しか診ない治療家が多い中、ずっと前からオステオシー領域では、「筋膜」を重要な治療対象としてきました。
そして、何を隠そう「鍼治療」も、ずっとこの筋膜にアプローチする有効な手段だったのです。施術者が意識するしないにかかわらず。
筋膜にアプローチしつつ骨格バランスを整える当院の施術
私(院長)は、10年くらい前から、鍼治療の際、主な施術対象を「筋肉」から「筋膜」(もっと正確に言うと「皮膚・筋膜」)に移行しました。
筋膜を施術対象にした方が、骨格バランス調整作用が強いことが経験上判明したからです。
OKはり灸マッサージの鍼治療は、どこが悪くても、基本的に全身へアプローチします。
局所治療をする場合でも、その前に、まずは、窮屈に縮こまってしまっている表層の皮膚・筋膜をゆるめて骨格を解放してあげてからの方が治療効果が断然高いからです。
筋膜は、全身のあらゆる部位をつないでいますので、表層へのアプローチで深部の組織をゆるめることができるのです。
なお、筋膜リリースの効果は、徒手よりも鍼の方が断然高いです。
鍼治療の、時に起こる「劇的」場効果も、この事実と関係が深いのです。
とにかく、今の施術者は、
- 皮膚・筋膜
- 筋肉
- 骨格
の3つを意識した施術が最低必要な時代に突入のているのです。
身体の外側と内臓は筋膜でつながっている
鍼灸治療は、体の外側にアプローチすることで体の内側の内臓機能の改善をすることに長けた療法であることは広く知られています。
従来、そのメカニズムは「体性ー内臓反射(または体性ー自律神経反射)という「神経」で説明されていました。
が、近年注目を浴び、研究者によりその全貌がかなり解明されてきた「筋膜」で体の外側と内側である内臓が直接つながっていることがわかってきました。
この事実から、鍼灸治療により内臓機能が改善されるメカニズムは神経反射だけでなく、この筋膜のつながり自体がかなりの役割を果たしていると考えられます。
古代鍼灸医学では、「経絡」という概念で、このことを数千年前より包括しています。
最新の研究と古代の医学理論と融合させた理解をすることで、より良い治療につながると考えています。