一つの関節が過緊張が起こると、同側の関節に過緊張が連鎖する、という人体の法則性が存在します。
特に大事なのが、骨盤に存在する「仙腸関節」の過緊張です。
仙腸関節機能異常が発生すると、仙腸関節の関節静的反射が亢進し、副運動が障害されます(数ミリの動きが制限される)。
この機能異常は、同側のあらゆる関節に連鎖します。
これを、「仙腸関節からの関節軟部組織過緊張連鎖」と言います。
この法則性は、「AKA-博田法」の考案者である博田節夫先生が発見しました。
私(院長)の臨床経験からも、この法則は確実に存在すると確信しています。
仙腸関節機能異常が発生すると、同側の股関節、膝関節、足関節、椎間関節、肋椎関節、さらにその他の小可動関節に関節機能異常が波及します。
反対側では、仙腸関節のみに波及します。
ということは、仙腸関節は、両側ともロックされてしまうこともある、ということです。
そこから両側の各関節が機能異常を発生させる、という道筋もあるでしょう。
実際、頚椎1番は、通常左右どちらかが関節機能異常(フィクセーション)を起こしますが、中には両側とも
フィクセーションを起こしている方にまま出会うからです。
そういった方は、かなり重症の症状を持っています。
OKはり灸マッサージにご来院くださる患者さんの中にも、「体の左側ばかりがおかしい」とか、その逆の声もよく聞かれます。
人体の神経支配は、正中線で左右に真っ二つに分かれていますので、特に自律神経機能異常が同側に波及することをよく経験します。
この現象と、先の「仙腸関節からの関節軟部組織過緊張連鎖」が同一のものか、別物であるのかは判別できませんが、リンクする部分はある、と考えています。
いずれにせよ、一次的原因であれ、続発的原因であれ、仙腸関節機能異常は、あらゆる症状に関わってきますので、治療においては、必ずチェックしなければならない必須部位であることは間違いありません。
この事実・現象に気づいている治療家も、気づいていない治療家も存在します。
どちらがより結果に結びつくか?は論を待たないでしょう。