腕を上に挙げようとすると、痛くて挙がらない状態を、俗称で、五十肩とよく言いますが、厳密には、いろいろな疾患に分けられます。
Okでは、この、五十肩様症状を治療する機会は、非常に多いです。
肩の状態をしっかりみてから治療します
肩の痛みは、疾患名がなんであろうと、まずは、
- 肩関節が固まってしまっているか(拘縮しているか)
- 肩関節が固まっていないか
この区別が重要になります。
結論的に、どちらの状態でも治療できますが、関節が拘縮している場合、治療期間が長くなる傾向があります。
次に、
- 腱板が痛んでいるか
- 腱板が痛んでないか
これも、重要なポイントになります。
腱板損傷があっても、保存治療で良くなることもありますが、特に、高齢者の場合、腱板損傷の確率が高くなります。
場合によっては、あまり深追いせずに、病院に行っていなければ、病院でみてもらうようにお願いすることが多くなります。
肩関節の拘縮も、腱板損傷もない場合
肩関節の拘縮も、腱板損傷もないだろうと判断した場合、基本的に、何らかの原因による、関節内における腱板のインピンジメント(はさみこみ)現象である確率が高くなります。
メモ
インピンジメントとは
上腕を外転する課程で、上腕骨と肩峰の間に腱板の一部や肩峰下滑液包などが挟み込まれ、繰り返して刺激が加わると滑液包に浮腫や出血が起こります。安静にするとこの変化は正常に戻り症状は軽快しますが、動作の反復によっては症状の再燃を繰り返して慢性化します。進行すれば、時に腱板の部分断裂となったり、肩峰下に骨の棘ができたりして痛みがなかなかとれなくなることもあります。
治療方針としては、インピンジメントの原因となっている因子を解除していくことになります。
局所的には、
- 肩関節のインナーマッスルである、ローテーターカフ(回旋筋腱板)と
- アウターマッスルのインバランスや
- 肩鎖関節、胸鎖関節のモビリティー不足
- 肩甲骨のモビリティー不足
- 肩峰に対する上腕骨頭の位置異常
これらをみていく必要があります。
また、これらの病態を継続させている他部位(例えば頚椎など)からの影響が、ほぼ必ずありますので、結局、全身の各部位と全身バランスをみていくことになります。
同じ五十肩(四十肩)でも、肩の状態・体のバランスによって施術は変わる
まずは、頚椎、胸椎、肋骨の影響をみて、異常があればアプローチして改善させます。
骨盤や、もっと離れた、手部や足部からの影響もよくあることなので、こういった遠隔部の外堀から攻めていって、最終的に、残った局所的不具合にアプローチする、というスタイルが、OKの基本スタイルです。
遠隔部の病態に占める割合が大きい場合は、外堀の治療で、9割がた改善する場合もありますし、局所の異常の影響が大きい場合は、やはり、局所を綿密に評価して、どこにアプローチすればいいのかを推理しながら治療してゆきます。
つまり、ひとことで、五十肩、といっても、一人一人、病態が異なっていますので、ある程度の基本パターンの確率は必要なものの、即興なアプローチも必要になることが多いのです。
もちろん、解剖学の知識・経験など、元になるきちんとしたバックグラウンドに基づいた治療です。
五十肩すべての人に同じ方法で治療しているわけではなく、ひとりひとりの状態を見て、治療させていただいています。
肩の痛みでお悩みの方は、ぜひご利用ください。
当院の五十肩・四十肩の治療について詳しくは、ホームページにも掲載しております。
このページの中で、症例も数件ご紹介しています。
なお、施術の際は、肩が出していただくので、女性の方は、服の下に、タンクトップやキャミソールなど、袖なしの服を着て来ていただけますと、施術がしやすいです。