突発性難聴は、文字通り突然に発症する難聴です。
この突発性難聴の原因は不明ですが、発症してから2週間以内に適切な治療をしないと治らない恐ろしい病気です。
発症してからの治療開始が早ければ早いほど治癒率は良いので、もし発症された場合は、一刻も早く医療機関を受診する必要があります。
ただし、この病気の恐ろしい点は、たとえ発症早期に適切な治療をほどこしても、治らないものの方が多い、ということです。
治療成績は、3分の1が治癒、3分の1が一部改善、3分の1が全く治らない、つまり、3分の2は難聴(後遺症)が残存する、というのが現実です。
難聴が残存すると、耳鳴りも症状として存在することになります。
聞こえは健側でカバーできるが、耳鳴りが気になってしかたがない、とお悩みの方も多いようです。
この突発性難聴は、近年増加傾向にあり、当院の患者さんでも、この病気でほぼ聴力を失っている方が何人かおられます。
勤務時代を含めても、非常に遭遇率の高い印象があります。
この突発性難聴に、鍼灸治療は有効です。
ただし、もちろん、鍼灸治療をすれば必ず完治します、といっているわけではありまん。
発症後、できるかぎり早い医療機関での治療(主にステロイドの投与となります)とともに、できる限り早期に鍼灸治療を併用することで、改善率は確実にアップします。
医療機関での治療で聴こえなくなった後でも、鍼灸治療により、難聴が改善した、という報告もあり、試してみるのも無駄ではないかもしれませんが、やはり、鍼灸治療においても、早期の治療の方が、断然功を奏する確率は高まります。