腰痛が、運動器(脊椎)と脳の機能障害(dysfunction)の共存した状態とするならば、それに対する治療も、その両方を意識した治療が有効であると考えられます。
鍼灸治療は、この二つの機能障害に非常に有効な治療法です。
①運動器(脊椎)由来の腰痛に対する鍼灸治療
鍼灸治療を行う場合は、姿勢を含めた全身状態を把握して治療に当たります。
治療は腰だけでなく、全身を対象に行い、全身の機能状態を高めることを目的とします。
これにより、全身の筋肉がゆるみ、筋肉の中の血液循環が改善し、硬くなっていた筋肉によって圧迫されていた痛みを感じる神経も正常化し、痛みが軽減します。
皮膚・皮下組織、筋肉、脊椎自体、など、浅いところから深いところまで臨機応変に治療対象にできるところが、特に鍼治療の強みです。
②脳dysfunctionを意識した鍼灸治療
鍼灸治療には、直接的に脳へ作用し、中脳辺縁系ドパミンシステムの活性化、下行性疼痛抑制系の活性化、βーエンドルフィンなどの脳内モルヒネの分泌促進、ドパミンやセロトニンなどの脳内神経伝達物質の分泌促進作用があることがわかっています。
これらの作用により、痛みに過敏な状態を正常化し、腰痛軽減を達成するとともに、自律神経機能の正常化も達成します。
それにより、腰痛だけでなく、長期間腰痛に悩んでいる患者さんが、腰痛以外にも抱えていることの多い、頭痛、肩こり、胃腸の不調、冷え、など、様々な自律神経失調症状も改善されていきます。
このように、鍼灸治療は、脊椎dysfunctionと脳dysfunctionの両者に効果を及ぼし、トータル的に腰痛を改善させていく、ひとつぶで二度おいしい、非常に有効な治療法である、ということがいえるのです。
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