足先がジンジンとしびれたように痛くなる病気のひとつとして、肢端紅痛症があります。
これは、わかりやすくいえば、冷え症の裏返しです。
冷え症の原因のひとつに、自律神経による影響が考えられます。
自律神経のうちの、交感神経が作用すると血管は収縮し、副交感神経が作用すると血管は拡張します。
冷え症の人では、血管が収縮して末端の血流が悪くなります。
これに対し、肢端紅痛症では、この逆なのです。
副交感神経の作用が相対的あるいは絶対的に強くなるので、動脈が拡張するのです。
肢端紅痛症では、動脈が拡張するために、ジンジンとしたしびれ感があらわれます。
末端部分で自律神経の作用やバランスが悪いことが、この原因となっています。
どうしてそうなるか?という深い原因については、わからない点が多いのです。
この肢端紅痛症は、一見すると、神経痛のように思われますが、医学的には神経痛ではありません。
痛みは、血管痛によるものです。
この病気は、そうと診断されない軽症のものから、足先が赤く腫れ上がるほどの重症なものまであるようですが、そうと診断されていなくても、ちょっとした自律神経の不具合で、このようなメカニズムで足先がジンジンしびれている方は、少なくないのではないでしょうか。
いずれにしろ、自律神経がうまく作用していないことが原因ですので、自律神経の作用を正常化する作用のある、鍼灸治療は、軽症のものに対して有効な治療となるのでは?と考えています。