日々の臨床で、膝関節痛など、膝関節に問題が顕在化している場合、その上下の関節である、股関節、足関節、にも問題がある、ということを最近発見しました。
考えてみれば当然で、元々関節構造としての安定性が弱い関節である膝関節は、上と下を、股関節と足関節にはさまれる形で存在していますので、この二つの関節の影響を受けないはずがありません。
ですので、ことに最近ご来院の多い、膝関節痛の患者さんの施術において、膝関節だけを診るのではなく、その上下の関節である股関節と足関節を必ず評価・アプローチするようにしています。
股関節は、さらに、骨盤、腰椎などの体幹、との関連も深く、最低このあたりまで連動して問題がある場合がほとんどです。
足関節も、さらに、踵骨、前足部、足指、足のアーチ、などの問題と密接に連動していますので、そのあたりまで細かく評価・アプローチする必要があります。
話は変わって、肘関節痛の患者さんの来院もまた多いですが、肘関節もまた、膝関節と同様に、肩関節と手関節に上下をはさまれた格好となっています。
よって、やはり、膝関節同様、肘関節に問題が顕在化している場合、必ず、その上下の関節である、肩関節と手関節にも問題がある場合がほとんどです。
肩関節は、肩甲骨、胸郭、頚椎、あたりと密接に連動していますので、最低そのあたりまでは、評価・アプローチする必要がありますし、手関節は、中手骨、手指との連動性が当然密接で、そこまで評価・アプローチする必要があります。
その他、肩甲骨と骨盤の連動性、からも、結局、上肢の問題も、下肢の問題も、全身を評価・アプローチする必要があります。
人間の身体というものは、パーツが組み合わさってできているのではなく、部分部分が全て繋がっており、それぞれがそれぞれに影響を与え合っていますので、どこの部位の愁訴であっても、全身を評価し、全身へアプローチする必要がある、ということがいえるのです。