札幌のたきうち整形外科スポーツクリニック院長の瀧内敏朗仙先生の論文を読みました。
その名もずばり、「投球障害肩の元凶は投球フォーム不良である」です。
投球障害肩、は、基本的に「野球選手」を想定しているものです。
投球障害肩は、「治療をするうえで最も難しい肩関節疾患」、といわれています。
投球障害肩の本態は、非常に難解で、現在に至るまでその原因および治療に関して一定の見解が得られていません。
そんな中、瀧内先生は、「すべての投球障害肩・肘の元凶は投球フォーム不良にある」と結論され、実際に結果を出しておられる先生のようです。
投球障害肩発生にに、「投球動作の質」、の問題が深く関わっている、とは、野球選手を治療する人なら、全ての人が感じていることでしょう。
ですが、「投球動作」、という問題が、数秒の高速で終る動きであるために評価が困難、修正方法が難しい、安易な関与によりパフォーマンス低下やイップスを生じる危険がある、技術的分野であり現場に任せるべき、などから、医療サイドで積極的に議論することがタブー視されている風潮があります。
そういう状況の中、瀧内先生は、彼の理論からいくと、当然、「治療=投球フォームの修正」、ですので、非常に思い切った対応をされていて、それで結果を出されているなら、本当に凄いと思います。
瀧内先生曰く、「治療は技術指導に他ならず、治療者は現場の指導者以上に投球技術に精通していなければならない」とのこと。
私(院長)はこれを読んで、正直「えらいことになったな」と思いました。
ただ単に、鍼して痛みが取れればOKではない、ということになるからです。
しかし、よくよく考えてみると、確かに、投球障害肩などのスポーツ傷害に限らず、あらゆる凝り痛みをはじめとした心身の不調が、「間違った体の使い方からきている」可能性は高く、そこに介入することは非常に困難を伴うことであることは理解しつつも、やはり、本当に「改善させたい」と考えるならば、そこまで指導できるにこしたことはないでしょう。
当然、受け手である患者さん側の積極性が不可欠ですが。
私(院長)は、息子が野球を始めた関係から、野球全般を学習・実践するようになっています。
ですので、理想的な投球動作、ケガをしにくい投球動作、とはどうゆうものか、についても勉強しています。
要は、治療家が、「優秀な姿勢・動作解析者」、である必要性が大いにある、ということになります。
現時点で、投球フォームなど、動作を指導できるスキルは私(院長)は持ち合わせていないので、まずは、できる範囲から少しづつ始めていこう、と考えているところです。