呼吸筋の主たる作用を持つ「横隔膜」は、安静時呼吸量の75%を占め、換気機能に与える影響は多大です。
もし、横隔膜本来の活動を作用させることが困難な場合、呼吸補助筋が過剰に作用し、呼吸筋のコンディション不良となっていきます。
横隔膜の機能的な活動の構築には、「姿勢」との関与が重要視されています。
横隔膜は、体幹の安定化と呼吸の維持を図る二重の作用を持ち、姿勢制御機構としての貢献度も大きいのです。
下部体幹での安定化が深呼吸時の脊柱可動性を高め、胸郭の可動性向上を引き起こします。
偏りのある姿勢は、体幹の不安定性を引き起こすため、それに依存した呼吸を呈しやすく、呼吸筋のコンディションが不良となります。
呼吸パフォーマンスの向上には、呼吸筋のコンディションが重要であり、姿勢制御と呼吸活動の両者におけるバランスが重要です。
呼吸筋のコンディションは、姿勢制御と呼吸活動に影響を及ぼします。
呼吸筋のコンディションが良好な場合、呼吸筋は姿勢制御と呼吸活動のどちらにも平均して作用し、釣り合いがてれています。
が、呼吸筋のコンディションが不良な場合、呼吸筋は姿勢制御に重みを置いてしまうため、呼吸活動が不良となってしまうのです。
この時の胸郭は、左右非対称が過剰になったアライメントを呈していることが非常に多く、この胸郭の過剰な左右非対称を適正化することで、瞬時に呼吸は大きく、呼吸がしやすくなった、という変化が起こるのです。