人間の動作は、その人の持っている、モビリティ&スタビリティ能力に規定されます。
その人の、姿勢を見れば、どの程度動けるかだいたい想像がつきますし、動作はその人の実際年齢を現します。
たとえば、カッコいい上段蹴りを決めようと思ったら、開脚能力がなければ絶対にできません。
そのときには、股関節はもちろん、体幹はじめ、あらゆる部位のモビリティ能力が求められますし、同時に、片脚で立つスタビリティ能力も求められます。
現代の日本での通常の生活では、その人の体が本来持っている能力のほんのわずかしか使わずに生活できてしまいますので、意識してトレーニングしないかぎり、自ずとモビリティ&スタビリティ能力は低下していきます。
スポーツにおいては、当然日常生活以上の動作が求められますので、より高いモビリティ&スタビリティ能力が求められます。
ですが、アマチュアアスリートの大部分の方が、このことをあまり意識しておらず、日常生活レベルのモビリティ&スタビリティ能力で、スキル練習ばかりしてしまう傾向がある、とみています。
当然、この状態は、スポーツ傷害につながります。
ですので、パフォーマンス向上と怪我の予防のためにも、スキル練習以上に、基礎トレーニングを大切にする必要があるのではないか?といつも感じています。
実際、トップアスリートたちの話を見聞きすると、必ず、スキル練習以上に、基礎トレーニングを大事にしていることがわかります。
自分も運動の前後には、せめてストレッチくらいはする、その間の基礎トレーニングは、できるだけ継続して、心身のコンディションを良くするためにしている運動で体を壊す、という本末転倒な事態を引き起こさないように注意しながら、これからも運動を継続していこうと考えています。
運動は、体を良くすることもあれば、逆に、体を壊すこともある、諸刃の剣である、ことを、運動される方は、十分に理解して取り組んでいただきたいと思っています。