私(院長)は、野球・サッカーについては、子供の頃からの遊びで、両方ともしていましたが、正式に部活動としては、野球は小学生の4~6年まで、サッカーは高校時代に一応サッカー部に所属していました。
が、野球については、小学校止まり。
サッカーについても、高校時代サッカー部所属で、それなりにやっていましたが、その頃は、すでに、部活よりも、断然音楽や文学などの別方面の方の関心が高まっていたので、あまり真剣にやってはいませんでした。
唯一中学時代は、ハンドボール部で全国優勝を成し遂げましたが、そもそもハンドボールをしたかったわけではなく、野球かサッカーがしたかったのですが、その中学には、校庭が狭い関係で、野球部もサッカー部もないから、仕方なくハンドボール部に入り、自ずと運動ができる連中が集まり、かつ、当時25歳位の若い顧問にこれでもかというくらいしごかれたおかげで、結果的に全国優勝まで行ったのです。
365日、朝晩、春夏冬休み、練習漬けで、日本一練習していたのは間違いないので、日本一になれたのでしょう。
今でいう「体罰」的なことは自分たちの感覚では「当たり前」でした。
若い顧問は空手経験者で、絶対に逆らえなかったし、たるんでいたら殴られる、というのは、生徒側も「当たり前」のこと、という認識があったのです。
殴られて鼓膜が破れた生徒もいましたが、親が文句を言うとか、一切なかったです。
もう30年も前の話ですので、時代が違うのです。
が、高校の頃はそもそも体育会系自体に嫌気がさしてきていたので、部活には身が入らずに結局一回戦負けで終わり。
大学時代は、軟派な音系サークル(別に軟派でもないんですが)に転身し、それ以来、運動、スポーツからはずっと遠ざかった生活をしてきました。
そうしてずっとスポーツから離れた生活をしてきて、治療家として、スポーツ選手を診させていただくようになったわけですが、特にこれといって自分がスポーツを実践することはありませんでした。
ただ、ストレッチや筋トレ、ジョグなどのコンディショニング、トレーニングには、さすがに興味が湧き、かつ、実践する必要性を感じ、30代半ばくらいから、ぼちぼちですが、実践するようになりました。
そうしているうちに、最近、息子がにわかに野球に興味を持ち始め、一緒に練習するようになったわけですが、我ながら意外にまあまあ年のわりには動けるな、と感じ、それならば、いっそのこと、もう一度、真剣に野球、サッカーを再開してみるか、という気になり、去年から実践するようになったのです。
自ら実践するようになってわかったことは、やはりスキル練習だけでは駄目、ということです。
プロの世界では当然、アマの世界でも、近年基礎トレーニングの重要性が認識されてきて、実際、基礎トレーニングにしっかりと取り組んでいるチームが良い結果を残すようになってきています。
特に、自分のように、40代半ばの人間は、スキル練習以上に、基礎トレーニングに励まないと、パフォーマンスが全く上がりません。
逆に、基礎トレーニングにしっかりとりくんでいると、自ずとパフォーマンスがアップするのを感じます。
この体験は、臨床に非常に役立ちます。
アスリートを診させていただく場合、ただの修理屋ではなく、パフォーマンス向上のお手伝いまでできるようになりたい、という意識が強くなってきました。
当然、スポーツ傷害を治すためのスポーツ医学の勉強は日々積んでいますが、この頃は、さらに、一歩進んで、いかにしたらスポーツ傷害が防げるか?いかにしたら更なるパフォーマンス向上が実現できるか?に勉強の焦点が移ってきています。
その答えの一つが、基礎トレーニング、にある、ということが、自らスポーツを実践するようになってわかってきました。
もう一つの答えは、いかに合理的な動作をするか、ということです。
合理的な動作は、怪我をしにくく、かつ、パフォーマンス向上に欠かせないもの、ということもわかってきました。
合理的な動作を実現するには、関節の可動域、筋力、動作の協調性、を体得すること、および、それを実現できる体が必要であり、やはり、基礎トレーニングの重要性が認識されるのです。
よって、アスレチックリハビリテーション、ファンクショナルトレーニング、などの、合理的な動作を体得するためのリハビリテーション、トレーニング、に興味が湧いてきています。
このように、自らがスポーツを実践することは、アスリートを診させていただくときに、非常に役立ちます、というより、「必須だ」と感じます。
「指導者はまず実践者たれ」という、スポーツトレーナー領域では「当たり前」のことが、「やはりそうだ」と、身に染みてわかるようになった今日この頃です。