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全身の連動性

肩関節周囲炎

肩関節周囲炎は、明らかな外傷や誘因がなく肩関節の痛みと拘縮を主体とする疾患です。

他の言い方では、「五十肩」「いわゆる五十肩」「凍結肩」などがあります。

「広義の五十肩(肩関節周囲炎)」と「狭義の五十肩(いわゆる五十肩)」は、厳密にいうと違いますが、整形外科や治療院でも、あまり厳密に区別することなく「肩関節周囲炎」や「五十肩」として治療されているようです。

肩関節の安定化は、

  • 上腕骨頭と関節窩の形状
  • 関節包や関節上腕靭帯
  • 腱板機能や肩甲胸郭関節機能

により保たれています。

関節包・関節上腕靭どは、静的に安定を保つ働きがあります。

腱板機能や、肩甲胸郭関節機能は、関節の運動中の安定を保っています。

肩関節周囲炎は、これらに不具合が出ている状態です。

 

発症から拘縮に至るプロセスの解明は未解明ですが、

  • 加齢による腱板の退行変性
  • 血流障害による関節包や肩峰下滑液包の炎症性変化

などにより、「痛いから動かさない」という悪循環から、メカニカルストレス(適度に使い動かすこと)の不足や、免疫学的反応により拘縮に至ると考えられています。

機能解剖学的な制限因子として、関節包、関節上腕靭帯、烏口上腕靭帯、腱板疎部、肩峰下滑液包、肩甲下滑液包、腱板構成筋をはじめとする筋肉、などが考えられます。

関節包は、関節包そのものが制動機能の中心的役割を担っていると考えられています。

関節腔内の陰圧状態が吸引力として働き、肩関節の安定化に貢献していますが、関節包の伸長性が減少すると制動機能が早くに働き陰圧化も高まるため、可動域制限に直結すると考えられます。

また、この状態は、上・中・前下・後下の関節上腕靭帯にも影響するため、それぞれの靭帯の制動機能が早く働けば、拘縮がより強固になることが考えられます。

烏口上腕靭帯は、烏口突起背側基部から起こり、棘上筋腱最前部停止部から肩甲下筋腱最突出部停止部にかけて付着し、主として、肩関節の内転、伸展、外旋を強く制限します。

この靭帯そのものに伸張性の低下が生じるだけでなく、腱板疎部をはじめ周囲組織と癒着があれば、強力な外旋制限因子に加え、挙上制限因子にもなりえます。

腱板疎部は、烏口突起の外側に位置する、棘上筋腱と肩甲下筋腱との間隙部分で、腱板が存在していない部分です。

ここは、両筋腱の抵抗減弱部として組織間の緩衝作用を担っていますが、脆弱な部位でもあります。

同部の関節包内側には、上腕二頭筋長頭腱、上・中関節上腕靭帯が存在し、表層を補強するように烏口上腕靭帯が走行する複雑な解剖学的環境になっています。

そのため、周囲組織の炎症の波及から癒着し瘢痕組織化すると、強い拘縮を引き起こします。

この腱板疎部は、肩関節周囲炎の最大責任病巣、とも言われ、特に、烏口上腕靭帯との癒着と瘢痕化は、拘縮の重症度を高めます。

肩峰下滑液包、三角筋下滑液包、烏口下滑液包は、解剖学的に同じ深さの滑液包群で、通常は、第二肩関節で決してインピンジメントが起こらないように緻密に機能しています。

肩峰下滑液包は、棘上筋腱の滑動を保障する役割を担っていますが、肩峰下で圧迫刺激にさらされていることに加え、血管・神経の供給が豊富であるため炎症を生じやすい組織といえます。

肩峰下滑液包炎や腱板炎で腫脹や肥厚、癒着が生じると、棘上筋腱の滑動が制限され、肩峰下でのインピンジメント症状の発症を高めることになります。

また、下方関節包や内転筋群などの拘縮が、円滑なglidingを妨げ、上腕骨頭の上方に圧迫する力が発生し、肩峰下でのストレスを高めることになる状況も、obligate translationと呼ばれる、関節包のタイトネスによる上腕骨頭の偏位として、肩関節可動域制限と痛みを起こす原因となります。

肩甲下滑液包は、肩甲下筋と肩甲骨の間に存在し、摩擦を減弱する注油機構として働き、関節腔内と交通し、関節運動に伴う内圧上昇の調整をしています。

肩関節周囲炎では、この肩甲下滑液包と関節腔内の交通が閉塞してしまい、関節液の行き場がなくなり、肩の運動での関節内圧の異常な上昇を引き起こし、関節水腫と同様の痛みによる運動制限が起こります。
また、肩甲下筋と肩甲骨の間の滑動装置が機能しないことによる可動域制限も考えられます。

腱板構成筋をはじめとする肩関節周囲筋の筋短縮は、個々の運動を妨げる直接的な制限因子になります。

ところで、肩関節周囲炎は、通常自然に治るといわれているものの、発症から数年経過しても何らかの疼痛や可動域制限が残存することもまれではなく、必ずしも自然治癒するとはいいきれません。

ですので、治療としては、できるだけ早期から治療を始めることが必要であり、治療方針としては、炎症・疼痛管理と可動域維持・改善であり、拘縮期への移行をいかに防ぐかが大事になります。

炎症期を短期間に経過させ、慢性炎症状態にさせないことが、重症化させないためのポイントとなります。

拘縮してしまった場合も、拘縮させている責任部位は、上記のような部位が想定されますので、その制限因子を解いていく治療方針となります。

このような肩関節局所のしっかりとした理解と、全身との連動性を考慮した全身の評価をしっかりとして、発症の原因をはじめ、多くの「なぜ」の解明に努めながら治療にあたることが必要になります。

肩関節周囲炎の治療として、鍼灸治療や整体治療(関節モビリゼーション)は非常に有効な治療となる場合も多く、病院での治療をはじめ、他の治療法ではなかなか改善しない場合でも、試してみる価値は十分にあります。

肩が痛くて腕が挙がらない、という症状でお悩みの方は、是非OKの治療をお試しされることをお勧めいたします。

  • この記事を書いた人

院長 大門信一郎

OKはり灸マッサージ院長。 はり師・きゅう師・あん摩マッサージ指圧師の国家資格有。 体のゆがみと自律神経を整える鍼灸師。 鍼灸治療の他、痛くない整体や、心地よい力加減のマッサージも好評です。 なかなか良くならない症状にお悩みの方の力になれれば幸いです。

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