ちょっと前に、このブログで報告させていただいた、腹部への鍼で首の骨の歪みが瞬時に改善した、という臨床経験を再び別の患者さんでも経験しましたので報告させていただきます。
この患者さんは、楽器演奏者で、一ヶ月以上右肩から腕全体にかけての痛みで苦しんでおられる方です。
病院では頚椎ヘルニアと診断されて投薬治療をしていますが、薬は一応効きはするものの薬が切れると痛みが出る、の繰り返しで、このままずっと薬を飲み続けるのか?と疑問に思い来院されました。
2回の施術で、痛みが軽減し、薬を飲むのを忘れるくらいになったが、毎日楽器の演奏の仕事があるので、ずいぶんと良いが、予防的に3回目ご来院。
当初の首から腕にかけての神経の経路の圧迫状態もかなり改善された状態になっており、今回はひたすらできるかぎり首の上下左右前後のバランスを整える施術をしました。
アゴ周りもゆるめながら、最終的にどうしても頚椎2番と3番の間の左側の関節の動きの制限が取れず、試しに腹部を触診すると、右肋骨下の硬さを認識し、そこにある肝臓に関係の深いツボである「期門」というツボに鍼をすると、瞬時に首の骨の歪みが整いました。
奇しくも、前回報告した別の方と制限個所も使ったツボも一緒で、2回あるということはこれは再現性があるな、と感じました。
この施術で治療終了とし、「物凄く楽になった」というお言葉を頂きました。
まだ今後の経過観察が必要で、これですっかり治ってしまったとは考えていませんが、今までの経験上、治療を適切に継続すればおそらく治るだろうと予想しています。
このように、一見全く関係ない部位への施術で改善することがあるので、引き出しを増やして改善率をもっと高めたい、と中国伝統鍼灸医学の勉強再開しています。
ちなみに、この首の骨の歪みが肝臓に関係の深いツボへの施術で改善する、という現象は、中国伝統鍼灸医学の理論で説明可能なのです。
改めて、中国伝統鍼灸医学の凄さを思い知りました。
中国伝統鍼灸医学には、この世に存在するあらゆる施術を包括する深くて広い内容があり、「柔道最高!」ではありませんが、やはり「鍼灸最高!」と言わざるを得ません。
が、鍼灸医学が最高でも、それを使いこなせなければ最高ではありませんので、ひたすら勉強をコツコツと続け、引き出しを増やし、臨床レベルを上げ、私(院長)自身が更に成長しなければ、と気合い入りまくりの、今、なのです。