肘の外側上顆炎は、通称、テニス肘、と呼ばれ、その名のとおりテニスをする人に良く起こります。
が、特にテニスをしていなくても肘に負荷がかかった場合になることは少なくなく、よく遭遇する症状です。
テニス肘の病態は、基本的に、筋付着部炎、ですが、難治性のテニス肘には橈骨神経痛が合併していると言われています。
痛む部位が肘の外側なのですが、筋の付着部であるとともに橈骨神経という神経の通り道でもあるので見分けがつきにくいのです。
私(院長)の経験上、単純なテニス肘だと痛む部位がある一か所に限局していますが、橈骨神経痛が合併していると思われる場合は、肘の上下のもっと広い範囲に痛みが拡がっています。
私(院長)は、腕から先に症状が出る場合、必ずその根元である、首肩に何らかの問題がある、と考えます。
実際、必ず腕に行く神経の経路が圧迫される状態になっています。
首肩で腕に行く神経が圧迫される部位は斜角筋と小胸筋という2か所が主ですが、そのどちらも緊張している場合が非常に多いです。
この状態は、整形外科的には「胸郭出口症候群」といって、非常によく見かける病態です。
整形外科医の中には、胸郭出口症候群という状態などない、という人もいますが、これは実際触診しないとわからないので、患者さんの体に触らず画像ばかり見ている医者ではそういう意見が出てもおかしくないかも、と、医者が画像診断に頼り過ぎる現状を憂いている一人です。
それはともかく、治療方針としては、その圧迫を解放する方向となります。
首肩の神経(血管も)圧迫部を解放すると、そこから先の症状は瞬時に改善されます。
残っている痛みが、本物のテニス肘からきているものと判断できます。
そして、本物のテニス肘の治療を局所的にします。
基本的に本物のテニス肘には鍼灸治療が大変有効ですので、そこに鍼やお灸をします。
昨日初来院された患者さんも、このテニス肘に胸郭出口症候群が合併していると思われるタイプでしたので、同様の施術を施すと痛みはほとんどなくなりました。
が、どんな病態、症状でもそうですが、一発で治ってしまうことはほとんどありません。
たまに一発で治ってしまう方がいらっしゃいますが、そういった方からのご紹介で来られる方も一発で治ると思われているので、病態、改善力も人それぞれなのでAさんが一発で治ったから私も一発で治して、という話にはならないということをここであえて強調させていただきます。
ですので、もう何回か治療が必要になるであろうことをお伝えしました。
それでも、当然整形外科にはかかっていて薬を飲んでいるが全く効かないということでしたので大変喜ばれました。
このような、橈骨神経痛が合併しているであろう難治性のテニス肘の方を複数改善させた経験がありますので、テニス肘と言われて治療もきちんとしているがどうも治らない、とお困りの方は、OKはり灸マッサージへご相談下さい。