体重の8%と言われる「頭部」の重さを支えているのは頚椎だけではありません。
舌骨とつながっていて舌骨筋群と呼ばれる8つの筋肉も、頭を支える働きをしています。
そして、舌骨筋群の働きに、大きな影響が与えているのが「舌」です。
舌は、それ自体が大きな筋肉で、姿勢を保つ重要な場所にあります。
口を閉じている時、自然な状態だと、舌は口腔の上側、硬口蓋に接しています。
この時、舌骨筋群が、頭蓋骨と胸部をリンクさせています。
舌が下がっていると、このリンクが失われてしまい、姿勢の制御に問題が出ます。
「舌の位置」という要素が、姿勢や運動の基点になっているのです。
舌が下がって口蓋についていない状態だと、頭を支えるための頭部と胸部を連絡する舌骨筋群がきちんと使われず、より首に負担がかかります。
また、舌が弱いと、猫背や、嚥下障害の原因にもなります。
猫背は、呼吸を浅くするし、思考力にも影響します。
「口呼吸はよくない」と言われていますが、身体の機能解剖学的考察からも、体に悪影響があると言えます。
鼻炎があると首が痛くなりやすいのは、口呼吸することにより舌の位置が下がり、首に負担がかかりやすい状態になっていることが原因のひとつです。
首の前側や舌を鍛えればコリにくくなる
首の前はきちんと支える筋肉が機能して、首の後ろ側はゆるんでいる状態が、私(院長)が常々言っている「首肩の上下左右前後のバランスがとれている」ということです。
首肩の上下左右前後のバランスがとれていれば、首肩は凝り痛みにくくなります。
首の後ろ側はゆるめ、首の前側をしっかりと鍛える必要があるのです。
そのためには、舌も積極的に鍛えることが必要です。
ゆるめることは他力による施術で可能ですが、鍛えて強くすることは「自力」で行うしかありません。
「自力」と「他力」を上手に使いこなすことが、より良い体を手に入れる良い手段と言えます。
自力ではどうしようもないことも非常に多いですので、そういった場合に、OKはり灸マッサージが少しでもお役に立てれば幸いです。